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2014.12.17
痴漢冤罪にはどう対応すべき?
◯痴漢冤罪とは?
満員電車などで女性から突然「このひと痴漢です!」と指をさされ、実際にはやってもいない痴漢の犯人として逮捕されてしまい、有罪判決を申し渡されてしまう。
もちろん会社はクビになり、家族や知人も離れていき、人生そのものが台無しに……。
日本の法律では、痴漢の疑いをかけられた際に確実に否定することが難しく、それによって多くの冤罪事件が生まれていると言われています。
昨今、この痴漢冤罪の被害が増えており、テレビやネット上でもたびたび話題になっているのです。
突然やってきた痴漢冤罪のピンチに悲惨な結末を迎えないためにも、痴漢冤罪について予習しておきましょう。
◯弁護士による「痴漢冤罪にあってしまった時の対応」
痴漢冤罪の話題は注目度が高く、以前よりテレビなどでも様々な弁護士が「痴漢冤罪の被害に遭いそうになった際の対応」をいくつも挙げています。
そういった対応策についてはネット上でも議論が繰り広げられていますが、どの対応方法にもメリットやデメリットが存在し、確実に冤罪を避けられる方法はないといってもいいような状況です。
今回は、弁護士による様々な「痴漢を疑われた際に取るべき対応」をまとめ、考察してみたいと思います。
はたして、どういった行動を取るのが適切なのでしょうか。
【とにかく逃げる】
なるべく早く下車して、とにかく早急にその場を去る。
一度その手の話し合いに応じてしまえば、どんどん不利な状況に流されていってしまう可能性は否めません。
冤罪を実証するのが不可能に近い実情を鑑みれば、そもそも「訴えさせない」という状況にもっていくのが正解ということなのかも。
ただし、昨今では至るところに防犯カメラが設置されていることなどもあり、まだ疑わしいだけの段階とはいえ、警察が本気で探すようなら容易に捕まってしまうかもしれません。
弁護士ですらこういった意見を出しているとはいえ、逃げれば怪しまれるのは間違いないため、余計に事態を悪化させてしまう可能性もあります。
この手段を取る際に気をつけることはただひとつ、逃げるからにはキッチリ逃げ切りましょう。
【身元を明かしてから立ち去る】
名刺や連絡先を渡して、自身の身元を明かしてからその場を去るという手段です。
痴漢を疑われている段階では強制力が発生しないため、拘束に応じず立ち去ることは可能です。
問答無用で逃げ出せば、何かやましいことがあるのではないかと思われてしまうのも事実。
しっかりとした対応を見せることで、自身に余計なマイナス要素を残さずに済みます。
ただし、後から連絡がきて、面倒な手続きを踏む必要が出てくる可能性はあります。
そこでの対応を間違えれば結局「痴漢冤罪」の被害に遭ってしまうことも考えられるので、あくまでも慎重に行動しましょう。
【「名誉毀損で訴える」と反撃】
こちらは実際に痴漢をしていないのですから、相手が訴えている言い分に穴があるのは間違いありません。
故意であれ勘違いであれ、自身の言い分が絶対に間違いでないと言い切れる可能性は少ないです。
なので、「こちらを痴漢扱いすることには相応のリスクがあるぞ」と教えてあげましょう。
逆に自分が訴えられる可能性があると理解させ、冷静になってもらうことで、感情だけで痴漢呼ばわりされるリスクを減らせます。
ただし、あくまでも丁寧に「痴漢はしていないので、決めつけないでほしい」ということを伝えていくこと。
脅しのようになってしまっては逆効果ですし、別の罪で訴えられるようなことにでもなれば目も当てられません。
そういったリスクは可能な限り避けつつ、真摯に対応しましょう。
【その場で丁寧に対応する】
痴漢ではないと否定していても、駅員や警察に現行犯で取り押さえられてしまうことがあります。
その場合でも、自分はやっていないという言い分を貫き、早急に弁護士を呼びましょう。
知り合いの弁護士に連絡を取るか、当番弁護士を呼ぶよう警察に伝えましょう。
当番弁護士は、1回に限り無料で弁護士を呼べるという制度で、原則24時間以内にかけつけてくれます。
この弁護士が到着するまで、供述調書は作成しないようにしましょう。
また、逮捕・勾留されてしまった場合、容疑を否認し続けなければなりません。
ここで「認めればすぐに帰れる」「会社をクビにされたいのか」などという違法な取り調べを受けることもあります。
ただし、それに応じて自白調書を作成してしまえば、裁判になってから覆すことはほぼ不可能です。
こういったことを避けるためにも、「録画・録音してもらえなければ何も話さない」と伝え、取り調べの可視化を要求しましょう。
容疑を否認している限り、最長23日に渡る取り調べは厳しいものになりますが、冤罪を避けるには毅然とした態度で耐えるしかありません。
◯まとめ
いくつかの対応策を上げてみましたが、まとめると方向性としては二つあります。
ひとつめは、「とにかく逃げる」という対応。
これは一見すると投げやりにも見えますが、かなり効果的です。
最終的に無罪判決を得られたとしても、逮捕・勾留されてしまえば日常生活への多大な影響は避けられません。
疑われてしまった時点で、既に大きなリスクが発生しているのです。
これを避けるためには、関わらないようにする他ありません。
実際は痴漢などしていないのですから、自信を持って逃げましょう。
ふたつめは、「向き合って戦う」という対応。
こちらはいくつもの方法がありますが、場合によっては逮捕・勾留されてしまうリスクがあります。
それでも冤罪を受けてしまうことだけは避けるため、状況に合わせてうまく選択していきましょう。
適切な対応を取っていくことで、無策に立ち向かうよりも無罪を認めてもらえる可能性が高くなるはずです。
以上、いかがでしたでしょうか。
確実な対処法がない以上、やはり不安になってしまう部分はありますが、いざという時に困らない為にも、普段からどう行動するかを考えておくのが大事かもしれませんね。
□ハセガワ
ライターやったりゲームクリエイターやったり、好き勝手に生きてます。