祭りや縁日の会場ではよくヤクザを見かけます。有名な話では東京浅草で行われている「三社際」でしょう。ふんどし一丁で派手な刺青姿をさらし、神輿をかつぐヤクザが横行したため、ついに神輿の担ぎ出しそのものが中止になってしまいました。
こうして派手に姿をさらす一方、祭りや縁日に出る露店も、ヤクザが働いている店が意外に多く、焼きそばをやく腕から刺青がチラっと見えたりしているわけです。
三社祭 浅草、東京。Sanja Matsuri / Ari Helminen
■ヤクザは一種類ではない？
一般的な知識からすると、
ヤクザ＝暴力団
なんですが、正確にいうと微妙に違います。
そもそもヤクザというのは、アウトロー的なライフスタイルを送る人たち個人の事であって、ヤクザの集団がそのまま全て暴力団というわけではありません。
また祭りや縁日を仕切っているのは、「テキヤ（的屋）」と言われる人たちです。まぁ、テキヤに属する多くの人たちはヤクザもんですので、全部がヤクザに見えるかもしれませんが、露店を営んでいる露天商の多くは堅気の人です。
■ヤクザは芸能界に顔が利く？
それにテキヤの親分衆は、クスリだの詐欺だのといった違法商売で設けている犯罪組織ではなく、地場の興行のまとめ役をしている伝統的なヤクザが多いようです。
最近はかなり減ってきましたが、どこの地域にも“地元の顔”と呼ばれるような興行界に顔を利かせているヤクザの親分がいます。
興行界ということは、芸能界とも密接にかかわっている世界です。芸能人のコンサートの動員や、レコード（今はCD)の拡販に関して、ヤクザと無関係でいられた芸能人は少ないかもしれません。まぁ、今はなかなか当局の締付けが厳しいので表立ってはつき合っていないようです。
Kojiki - la genese du Japon - Japan Expo 13- 2012-0706- P1410117 / styeb
■ヤクザはニッポンの伝統文化
そんなわけで、ヤクザの親分は元々は地元の権力者です。警察機構がなかった頃（江戸時代以前）は、地元で起こった揉め事や犯罪は、「お上」が介入する前に、地元の親分衆が解決していました。
そして、明治に入って警察が組織されたときも、第二次大戦直後に敗戦の影響で治安が悪化しときも、そうした地元ヤクザたちが警察の代わりをしていた時期があったわけです。
この辺りは世界のほかの地域で犯罪組織が生まれていく構造とはちょっと違っていて、ニッポンのヤクザの建前になっている
「素人衆に迷惑をかけない」
というルールは、そうしたヤクザの成り立ちに関わっています。
ですから半グレやチンピラのような連中ではない“本物のヤクザ”は、こちらから首を突っ込んだり、変なちょっかいを出さない限り、関わってくることはありません。祭りや縁日でヤクザを見かけたりしても、必要以上に怖がらなくてもいいでしょう。もっとも最近は本物のヤクザも随分減ってきましたが・・・
出典
http://www.igosso.net/id/7450559666.html
http://www.igosso.net/id/13940670626.html
http://www.igosso.net/id/7555756708.html
http://www.blogazo.net/asin/4796638989_510TEV-gZ1L.html
